放置竹林拡大防止PJT
放置竹林拡大防止PJTのシンボル画像

竹林と、わたしの再生プロジェクト

長崎の山あいに広がる、かつて人の手が入っていたはずの竹林。
その姿はもう、誰も近づかない場所のようだった。
父の話によると、40年は手付かずの状態らしい。
背丈を超えて密集する竹。倒れたまま朽ちる幹。足元には陽の光が届かず、風も通らない。そんな放置竹林を目の前にして、「もったいないな」と思ったのが、すべての始まりだった。

私は自営業者として、八郎岳の中腹にあるこの竹林を少しずつ手入れしながら整備を始めた。
最初の頃は、一本一本竹を切り倒すだけで精一杯。だが続けるうちに、竹林は少しずつ明るさを取り戻し、やがて春には筍が顔を出すようになった。

ただ、切った竹をそのまま廃棄するのは惜しい。何かに活かせないかと考えたときに出会ったのが「無煙炭化器」だった。
これを使えば、煙をほとんど出さずに竹を炭にできる。しかも、できた竹炭は軽くて多孔質。水や空気をよく吸い込み、土壌改良や消臭、調湿など様々な使い道がある。
炭化した竹を「ポーラス竹炭」として商品化し、少しずつ販売も始めた。YouTubeチャンネルでその様子を発信すると、同じように悩みを抱える人から反響もあった。
竹は、ただ放置すれば山を荒らす。だが手を入れれば、筍を育て、炭となって人の暮らしにも役立つ。私は、竹林を「迷惑な存在」から「地域の資源」へと変えていきたいと思っている。

今では、約6,000㎡の竹林を手入れしながら、春には筍の直送便、通年では竹炭づくり、そして地域のイベントでの啓発活動も行っている。ボランティアの協力も得ながら、名もなき里山が、少しずつ、人とつながる場所に変わってきた。

私はこの活動を「放置竹林拡大防止PJT」と名づけた。少し仰々しい名前かもしれないが、私にとっては本気のプロジェクトだ。
自然と向き合い、資源と向き合い、人と向き合う。すべてが手作業で、すぐに成果は見えない。でも、土の匂いや風の音が少しずつ、答えをくれる。

竹林整備を応援する

最後までお読みいただき有難うございます。
当団体では放置竹林の整備・管理を行うための寄付を募っています。
ご協力を賜れますと幸いです。よろしくお願いいたします。

トップページへ戻る